公正証書とは、公証人が当事者の嘱託に基づき、当事者間の法律行為や私法上の権利に関して作成する文書です。
私文書(私人間で作成した念書・契約書・約定書)と違い、高い証明力や執行力があり、安全性という点でも優れ、将来の当事者間の紛争防止にもなります。
作成に際しては、公証人が無効・取りすべき所や法令に違反する内容については削除し、作成する事となります。
つまり公正証書とは、公証人が公の立場で正しく証明した事を示す公文書となります
違法かつ無効な法律行為を内容とした文書を公正証書にする事は出来ません。
例えば、脅迫されて通常では支払う必要のない金銭の支払を強要され、契約書としたもの等は公正証書とする事は出来ません。
公正証書の主な作成例は以下の通りです。
財産関係の公正証書
金銭消費貸借契約公正証書、債務弁済契約公正証書、賃貸契約公正証書、贈与契約・売買契約公正証書、
請負契約公正証書
身分法関係の公正証書
遺言公正証書、離婚給付契約公正証書、死因贈与契約公正証書、遺産分割協議公正証書、任意後見契約公正証書
事実実験公正証書
私権に関する事実についての公正証書
公正証書は、法務大臣によって任命された国の機関である公証人がその権限に基づき作成するので公文書となります。
私人間で作成された文書と違い、公正証書に記載された内容及び成立が公に証明され、真正に作成された公文書との推定を受けます。 従って紛争になった場合、相手方はその公正証書が正しく作成されたものでない事を証明しない限り、その公正証書を証拠として使う事を否定・拒絶できません。
つまり民事裁判になった場合を例にとると、裁判所はその公正証書を証拠として直ちに採用できるという事になります。
一方、私文書の場合であれば、その文書が正しく作成されたものである事を証明しなければその文書を証拠として採用する事はできません。
裁判所の判決と同様の執行力をもつ場合があります。 金銭の支払いの公正証書の場合、強制執行認諾条項とつけておくと、債権者は債務者が期限に支払わない場合は、強制執行に踏み切る事ができます。
つまり債権者は、公正証書の強制執行認諾条項を根拠に、裁判所に強制執行の申し立てをして、債務者の財産である不動産や債権等を差し押さえる事ができます。
私文書の場合では、裁判での判決が確定してからでないと強制執行を実行できません。このように公正証書は判決と同じ効力を持ち、裁判にかかる時間や費用を省く事が可能になります。
現実的に金融機関、リース業者、不動産業者等は金銭の支払いが絡む取引に関与する場合、公正証書を日常的に利用しています。それ以外の営業活動においても殆どが作成の対象となります。
書類内容の安全性
公証人は公正証書の作成依頼を受けても、その内容が法令に違反したり、無効な法律行為や無能力者による法律行為について等、作成の段階で確認するので、内容的にも安全な書面を作る事ができます。
当事者双方の本人確認
他人が当事者の名前を使って公正証書を作成しようとしても、印鑑証明書や運転免許証等証明書類によって身元の確認をとるため、面識のない相手方と契約書等を作成する場合にも双方の本人確認という面でも安心です。
保管の安全性
作成された公正証書の原本は、公証役場において厳重に保存されます。 従って公正証書の紛失、盗難、偽造等を防ぐ事ができます。
また作成時において、当事者には公正証書の正本又は謄本が交付されますが、万が一これを紛失してしまっても、原本が公証役場に保存されているため、新たに謄本等を作成してもらう事が可能です。
原本の保存期間は原則20年間ですが、特別の事由により保存の必要がある時は、その事由の存在する間、保存される事になります。